子供が吐きだすとあわてるものです。今回は嘔吐に関した質問を取り上げます。その原因は心配が無いものから重大な病気まで多彩です。
吐き気を催した後に嘔吐するのが普通ですが、いきなり嘔吐と言う事もあります。
嘔吐中枢は延髄に存在し、胃や腸などの消化器病、中枢神経病や中毒などが原因で刺激を受けると、嘔吐反射が起こり嘔吐します。
また人の体は繊細に出来ており、微妙な感情にも左右され、いやな臭いを嗅いだり、不快なものを見たり聞いたりするだけでも大脳皮質を介して嘔吐が発生します。
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Q 子供が嘔吐したら、最初にどのような注意や処置が必要ですか?
A まず、吐いた物が気管につまり窒息するのを防ぐのが大事です。
子供の頭と体を横に向けます。そうすると、口の中の吐物が外に出易くなります。次に、口のまわりをきれいに拭いてやり衣服が汚れたら着替えさせ吐いた内容物を確認し、飲食物がそのままの状態で出ていて顔色が良く'けろっ'としていればひとまず安心です。
それから体温を計り、顔色、呼吸の状態、便が出ていたら下痢や血便の有無、腹痛の程度、お腹がはっていないか、頭痛が無いかなどを調べます。
続いて、うがいが出来る年齢であれば、うがいをさせ口の中をきれいにしてやります。空腹感を訴えたり水分を欲しがればお白湯を少量ずつ与えてみて嘔吐が無ければしばらく様子をみます。
Q 緊急性を要する嘔吐はどのような時ですか?
A 至急の対応が必要な状態を列記します。
1.繰り返し吐く時。
2.吐物が黄色や緑色(胆汁)をおびている時。
3.吐物に血液が混じっている時。
4.吐いた物がコーヒー残渣みたいな時。
5.がまんできないほどの激しい腹痛がある時。
6.便に血液が混じっている時。
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7.脱水症状(尿の出が悪くなり尿の色が濃くなる。唇が乾燥してきた。眼が落ちくぼみ泣いても涙が出ない。皮膚の弾力が減少した。)がある時。
8.頭痛がひどい時。
Q 嘔吐が続くと脱水が起こるのは何故ですか?
A 嘔吐すると摂取した食べ物がそのまま吐物として出るのではなく同時に胃液も失われます。 胃液には水分と電解質(ナトリウム・カリウム・塩素イオン)が含まれ、それが吐く度に余分に出ていくので脱水状態となります。
すなわち 吐物=摂取した物+胃液 で胃液の分だけマイナスとなります。
さらに胆汁の成分や下痢が加わると脱水がさらにひどくなります。
Q 嘔吐の原因について教えて下さい。
A 年齢によって嘔吐の原因となる病気や状態には多い少ないがあります。
次に原因をあげます。( )内に頻度が高い年齢や簡単な特徴を示します。
●'げっぷ'とともに出る吐乳。少量の乳成分がだらだらと出る溢乳とは区別します。(乳児に多い。乳を空気とともに飲み込むためで、余分の空気を排出する必要があります。)
●食べ過ぎによる嘔吐。(乳幼児は噴門のしまりが悪いので嘔吐し易い。吐いた後は'けろっ'としている。)
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●ウイルス感染による嘔吐下痢や感染性胃腸炎。(ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどの感染。乳幼児に多く流行性や季節性がある。この病気については改めて取り上げます。)
●食物アレルギー。(乳幼児に多い。)
●周期性嘔吐症。(2歳から10歳頃の神経質な子供に起こり易い。繰り返すことが多い。以前は自家中毒と呼ばれた。)
●片頭痛。
●咳き込んで吐く。(かぜ、気管支炎、喘息、百日咳などの病気がもとにある。)
●急性虫垂炎。(通称もうちょう。幼児から年長児。)
●胃・十二指腸潰瘍。
●腸重積症。(生後4ヵ月から2歳頃が多い。血便。腹痛。)
●肥厚性幽門狭窄症。(生後2週目から3週目頃から始まる噴水状の嘔吐。体重が減少する。)
●その他の小児外科的疾患。(ヘルニア嵌頓、腸閉塞、胃食道逆流症、胃軸捻転症。)
●中耳炎。●尿路感染症。●敗血症。●髄膜炎。●脳腫瘍。(脳圧亢進。)●頭部や腹部の外傷。●食中毒。●異物や毒物の誤嚥。●乗物酔い。●消化器の先天奇形や先天代謝異常症。(新生児期に見つかることが多い。)
Q 嘔吐に対してはどのような対処をすれば良いのですか?
A 前述した緊急性がある状態ではただちに医療機関を受診します。
比較的元気があれば、吐いた後はしばらく安静にして、口からは何も与えずに一定の絶食期間をおきます。時間として1時間から2時間(最長で12時間位)あけ、水分をほしがるまでお腹を休めて、吐き気が治まってから、お白湯や薄めのイオン飲料(酸っぱい物、刺激物や脂っこい物は避けます。)を始めはスプーン1杯を1口ずつ10分おき位に飲ませます。吐き気止めの座薬(商品名:ナウゼリン座薬)が効くことがあります。
口から水分が摂取出来なくなったら、静脈内に点滴で水分や電解質を補給しなければなりません。
以上、質問によってはくどい程の答をいたしましたが、原因については診察医が頭に入れていなければならない程度の専門的な内容ですから、難しい病名は知らなくても構いません。太字で示したものは、多く経験する原因ですから覚えて下さい。嘔吐の原因は年齢によっても頻度が違いますので考慮に入れます。
念頭に置かなければならないのが、ただ事でない病気が隠れている場合が有り得る事実です。日頃から子供の普段の状態を把握して肌で感じ取る事です。
嘔吐が止まらなくて健康時の状態に戻らなければ、早期にかかりつけ医の診察を受けて下さい。
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