■エコノミークラス症候群
■どんな病気ですか
足や骨盤の静脈にできた血栓が血液の流れに乗って肺の動脈に突然詰まる病気です.血栓は下大静脈を通過し,右心房,右心室を通って肺動脈に至ります.弁がところどころにありますが,肺の方に向かう血流はフリーパスです.何も遮るものがありません.肺動脈は肺の入口で細く枝分かれしていくため,血栓はここで詰まって動脈を塞いでしまいます.
血液の通路には脇道がないので,肺動脈で大量の血栓が詰まると,そこから先に血液が流れなくなり心臓が送り出す血液が突然少なくなって倒れたり失神します.心臓に一気に大きな負担がかかり,心室細動を起こして突然死することもあります.当初,飛行機の中で狭いエコノミークラスの席に長時間座っている人に起きたため,エコノミークラス症候群という名前で知られることとなりましたが,正式な病名は肺塞栓です.原因となるのは深部静脈血栓症です.
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■深部静脈血栓症とは
深部静脈血栓症は,足の中心を通っている本幹の静脈である深部静脈に血栓ができる病気です.深部静脈の血液は,足の筋肉が収縮する力で足からからだに向かって押し上げられますが,国際線のフライトや長距離トラックの運転のように足を下げた状態で長時間じっとしていたり,手術後のようにベッドの上に数日間じっとしていると,深部静脈の中の血液が凝固して血栓ができます.血栓は膝下の静脈だけにできることもあれば,骨盤の中までずっと血栓ができることもあります.血栓ができると,静脈の血液が鬱滞するため足全体が腫れ,やや紫色に変色し,痛みや熱を持ってきます.
■どのように治療するのですか
深部静脈血栓症がみつかったら,慎重な治療が必要です.
1)抗凝固療法
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血栓を溶かす治療です.ヘパリン(血栓ができるのを抑える薬)やウロキナーゼ(できた血栓を溶かす薬)を使って心臓に移動する前に血栓を溶かします.24時間連続で薬を使うため入院が必要です.
2)下大静脈フィルター
肺塞栓を起こしつつあり,血栓が骨盤や下肢静脈に残っていてさらに肺塞栓を起こすおそれがあるときには,下大静脈にフィルターを入れます.フィルターというのは,ステンレスでできた傘やかごのような形のもので,首の静脈から心臓越しに挿入して腎臓より下の下大静脈に入れ,そこに固定します.フィルターは,足や骨盤から流れてきた血栓を捕まえます.血栓が消えてフィルターが不要になったら,抜き去ってしまうこともできる種類もあります.
3)肺塞栓の治療
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肺塞栓のため血圧が下がったり心臓が止まりそうになった場合には,緊急手術で肺動脈にある血栓を除去します.手術まで体が持たないこともあるので,その場合は急いで循環と呼吸を補助するための人工心肺装置に似た装置を装着し,手術にバトンタッチします.
血栓が何ヶ月もかかって少しずつ肺につまっていくと,肺は血液を通過しにくくなり心臓に負担がかかるため,日常生活に支障を来すようになります.これが慢性肺塞栓です.肺動脈内の血栓はすでに硬くなって肺動脈の内面にこびりついていますから,これを丹念に剥がしとる手術が必要になります.
■どうやったら予防できますか
深部静脈血栓症は,治療が必要な状況にならないよう予防することが大切です.全身麻酔の手術では,手術後に安静期間がしばらくあるため,特に大切です.
静脈の中に血液がうっ滞することが原因なので,足全体を弾力ストッキングで軽く締め,足に専用の治療器具(血圧を測るときに腕に巻くマンシェットのようなもの)をつけ,その内面にあるバルンが定期的にふくらんで足の土踏まずのあたりを圧迫します.この中にある血液が瞬間的に体の方に移動するため,深部静脈の中の血液に動きが起こり,血栓ができにくくなります.目が覚めて自分が足を動かせるようになったら,足の屈伸運動などを積極的に周りから指導して繰り返しやってもらいます.
長時間じっとしていないといけない場面(長いフライトなど)では,足の運動をしっかり自分で行い,あまり脱水にならないよう水分補給をします.そのことで血液を循環させて血栓ができにくくしてやります.
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